ビタミンC

11.ビタミンC誘導体とビタミンCはどう違う?

ビタミンCとは、どのような物かご存知ですか?

純粋なビタミンCはアスコルビン酸と呼ばれ、通常では白い結晶・・・つまり白い粉末状をしています。このビタミンC、実は空気や水の中では安定せず、化粧品に配合される場合「ビタミンC誘導体」というものが用いられます。今回は化粧品に配合されるビタミンC誘導体とビタミンCの違いについて詳しくみていきましょう。

目次

▼化粧品に配合されるビタミンCとアスコルビン酸は同じなの?

▼なぜ化粧品にはビタミンC誘導体が使われるのか

化粧品に配合されるビタミンCとアスコルビン酸は同じなの?

皆さんが化粧品を選ぶとき、「ビタミンC」ではなく「ビタミンC誘導体」と書かれていることにお気づきでしょうか?

しかも、全成分には「ビタミンC」と書かれていません。不思議に思われたことはありませんか?実は化粧品の全成分には「化学名」を書かなければならず、「ビタミンC」は「アスコルビン酸」と表記されます。また、ビタミンCは非常に安定しない物質なので、そのまま化粧品に配合することが出来ず、「アスコルビン酸Na」などビタミンC誘導体の名称が書かれているのです

なぜビタミンCは化粧品に配合出来ないのか

実は、ビタミンCそのものの安全性は高いのですが、その「安定性」に問題があるのです。

ビタミンCは光や酸素の影響を受けやすく、容易に分解されてしまう性質があるからです。

なぜ化粧品にはビタミンC誘導体が使われるのか

ビタミンCを化粧品に配合する場合、期待される効果の1つに「美白作用」があります。これは「ビタミンC自らが酸化されることで、メラニンを作らせない」という働きによるものです。

 ※メラニン・・・正しくはメラニン色素。黒あるいは褐色のユウメラニンと赤毛などに含まれる黄色・赤色のフェオメラニンに分けられる。一般的にはユウメラニンを指す。肌のメラニン量が多いと肌は黒くみえる。シミなどの部位では、メラニンが必要以上に増加していることもある。

ここで大切なことは、ビタミンCがメラニンを作らせないように働くためには、作用すべき所(メラニン付近や、メラニンを作る基底細胞付近)にまでビタミンCが届き、その場所で作用しなければ、美白作用は発揮されないということです。

ところが、ビタミンCは非常に酸化されやすいので、そのまま化粧品にビタミンCを配合しても化粧水などの中で勝手に酸化されてしまい、肌に塗った時にはほとんどなくなっていて役立たずになっている場合があるのです。

これでは、何のためにビタミンC配合の化粧品を使っているのか、意味がなくなってしまいますよね。

そうならないように、化粧品などの製品に添加された状態でも長期間安定するように開発されたのが、分解されにくい安定型のビタミンC「ビタミンC誘導体」なのです。

ビタミンC誘導体は、数多く開発されており、水に溶けやすい水溶性のビタミンC誘導体、油に溶けやすい脂溶性のビタミンC誘導体、そして水溶性と脂溶性・・・つまり水にも油にも溶けやすい性質を持つビタミンC誘導体など、種類も豊富です。

水溶性ビタミンC誘導体の特徴

水溶性ビタミンC誘導体は、主に化粧水などに使われており、代表的なものに、以下のようなものがあります。水溶性ビタミンCは種類によっては、高濃度で使用すると刺激や乾燥を感じることもあります。

<代表的な水溶性ビタミンC誘導体>
■アスコルビン酸ナトリウム

最もビタミンCに近い形のビタミンC誘導体ともいわれますが、弱酸性では安定しないため、化粧水に配合する場合、アルカリ性を保つ必要があります。

■ビタミンCエチル(3—Oーエチルアスコルビン酸)

このビタミンC誘導体は、表皮の基底層のメラニンの黒色化を抑える働きがあります。

油溶性ビタミンC誘導体の特徴

脂溶性ビタミンC誘導体は、主にクリームなどに油分が多い化粧品に使われており、代表的なものに、以下のようなものがあります。油溶性ビタミンC誘導体は、角質層にある皮脂成分をまとうことで、肌バリアに馴染んで肌に浸透しやすくなります。油溶性ビタミンC誘導体の中には、通常のビタミンCに比べ約30倍の吸収力を持ち、肌の中での作用持続効果は43時間以上というものもあります。肌深くに馴染んだ油溶性ビタミンC誘導体は、体内にある酵素によってビタミンCに戻り、ビタミンCが本来持っている効果を発揮します。

<代表的なビタミンC誘導体>

■L-アスコルビン酸モノステアロイル(ステアリン酸アスコルビル):ビタミンCに比べて光、熱、酸素などの影響を受けて壊れにくいですが、湿気を吸った状態ではゆっくり壊れていきます。

■テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(テトラ2―ヘキシルデカン酸アスコルビル):このビタミンC誘導体は「VC-IP」とも呼ばれています。肌への浸透性が良く、従来のビタミンC誘導体に比べて非常に安定で、肌に浸透した後は、シミの元となるメラニン産生を抑制してくれるとして、多くの美白化粧品に配合されています。


水溶性・脂溶性2つの性質を持つビタミンC誘導体の特徴

水溶性・脂溶性の性質を持つビタミンC誘導体は、主に以下のようなものがあります。

■パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは、「APPS」「アプレシエ」とも呼ばれます。APPSは水溶性ビタミンC誘導体と油溶性ビタミンC誘導体の両方の作用を持ち合わせているため、浸透型ビタミンC誘導体とも呼ばれています。

一般的に、水溶性ビタミンC誘導体は即効性がありますが、刺激・乾燥感も強い場合がありますし、油溶性ビタミンC誘導体の効果はゆっくりしていますが、持続性があり刺激も少なく、肌への浸透性が高いという特徴があります。

APPSは、その両方の性質のいいとこどりしたビタミンC誘導体として、一時期化粧品業界ではとても流行った成分です。

ビタミンC誘導体は企業努力の賜物

ビタミンC誘導体には数多くの種類がありますが、どもビタミンC誘導体も、基本的に分解された後・・・つまりビタミンCに戻ってから本来の働きを発揮します。

ですからビタミンC誘導体は、元酸素や光に弱いビタミンCをいかに安定させ、肌に浸透した後、いかに元のビタミンCに戻すか・・・その研究の賜物なのです。