様々な種類が開発されているビタミンC誘導体ですが、肌に塗った時、どの程度ビタミンC誘導体が肌に浸透するのか、気になる方も多いのではないでしょうか。実はビタミンC誘導体の肌への浸透性は全て同じではなく、ビタミンC誘導体の種類によって異なるのです。

目次
▼肌ってどんな構造をしているの?
▼肌のバリア機能
▼ビタミンC誘導体って肌に浸透するの?
一般的に肌の構造から、水溶性ビタミンC誘導体よりも脂溶性ビタミンC誘導体の方が肌に浸透しやすいようです。
▼肌ってどんな構造をしているの?
ビタミンC誘導体の浸透性についてより理解していただくために、少し肌の構造についてお話しますね。
■意外と薄い肌
肌は表皮・真皮・皮下組織という3つの層から成り立っています。
肌の厚さは約2mmですが、身体の部位によっても異なり、最も厚いのは足の裏、最も薄いのはまぶたです。また、一般的に女性よりも男性の方が、子どもよりも大人の肌の方が厚いです。

肌の一番外側にあるのが「表皮」。表皮は厚さ0.2mmと極めて薄いそうですが、この層には外側から角層・顆粒層・有棘層・基底層があります。
表皮層の下にあるのが「真皮」。真皮には、約2mmの厚さがあり、肌の95%を占めています。コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが存在し、肌の弾力やハリを保っている部分です。
■外から侵入できない仕組み「肌バリア」
さて、ここで考えなければならないのは、肌が本来果たすべき働きです。
肌は、肌全体の表面積がおよそ1.5~2.0m2にも及ぶ、人体最大の器官です。
身体の表面を覆うことで、異物や病原菌の侵入を防ぎ、暑さや寒さなど外界の状態を感じ取り、汗をかいて体温を調整したりするなど外からの刺激に反応しています。
私達は、雨に濡れた時、お風呂に入った時、長く水に触れていると肌がふやけはするものの、水が身体の中に入ってくることはありませんよね。
それは、肌の一番外側でまるでバリアのように働く工夫があるからなのです。
▼肌のバリア機能
肌の一番外側には、皮脂膜という皮脂が広がって出来た薄い膜があります。
そしてそのすぐ下には表皮の角層がありますが、角層の細胞と細胞の隙間を埋めているのが「細胞間脂質」。この細胞間脂質は肌内部の水分蒸発を防ぐと同時に、外からの異物の侵入を防いでいます。細胞間脂質は、「ラメラ構造」といって、角層の細胞の間でセラミドなどから成る脂質の層と水分の層が交互に規則正しく何層にも重なり合う層を作り、外からの刺激から肌を守っているのです。

■肌は油と馴染みやすい
これら皮脂膜や細胞間脂質は、油に溶けやすい性質を持っています。
逆にいうと、水に溶けにくいのです。
ですから、私達の肌は雨などがすぐに身体に入らないよう水をはじくように出来ています。
このような肌の構造から、本来肌は水溶性のものは肌に浸透しにくく、脂溶性のものは肌に浸透しやすく出来ています。
▼ビタミンC誘導体って肌に浸透するの?
これらの肌の構造から、水溶性ビタミンC誘導体よりも脂溶性ビタミンC誘導体の方が肌へ浸透しやすいことがお分かりいただけるかと思います。

■「浸透するのは角層まで」の秘密
そうはいっても、化粧品の表示をよく見てみると、「真皮にまで浸透する」というような表記はまず見かけません。
なぜなら、化粧品は「薬事法」という法律で縛られており、
「化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なものをいう。」という薬事法上の定義があり、「化粧品の浸透を公告で表現していいのは角層まで」と決まっているのです。
■本当にビタミンC誘導体は角層までしか浸透しないのか
しかし、化粧品メーカーは独自の調査により、ビタミンC誘導体の浸透性データを持っているものもあります。
公告など公には書けなくても、表皮の基底層まで浸透して、メラニンの産生を阻害することが分かっているもの、活性酸素を除去し、紫外線(UV-B)によるDNAの傷害を防ぎ、また細胞を修復することが分かっているもの、臨床試験でニキビの改善、肌のキメが整う、毛穴が目立たなくなるなどの効果が認められたものなど、原料メーカー側はビタミンC誘導体の有効性をきちんと調べているのです。
マウスの肌を用いて、ビタミンCやビタミンC誘導体の浸透性を調べた実験や、ビタミンC誘導体を人の肌に塗って臨床試験において色素沈着抑制作用が認められたものもあります。
■ビタミンC誘導体が効果を発揮する仕組み

ただし、ビタミンC誘導体の効果を期待するのなら、適切な場所で適切に働いてもらう必要があります。肌の表面に発生した活性酸素を除去するためには肌表面で、肌の弾力やハリを保ちたいならば肌の奥深くへ、シミなどの原因になるメラニンの生成を減らしたいなら、表皮の最下部「基底層」付近にて働く必要があるのです。
ひとまとめにビタミンC誘導体といっても、その種類は多く、1つ1つ浸透性や期待する作用は異なります。しかし、浸透力を考えるのも大切ですが、どこにどのように作用するのか考えて化粧品に配合されています。また、使用感や肌への刺激の有無など、総合的に判断して選ぶとよいでしょう。
