
目次
▼カルシウムとは何か
▼カルシウムの働き
▼カルシウムの効果
▼効果的な摂り方と注意点
▼カルシウムが使われている商品
▼カルシウムとは何か
カルシウムは、からだの機能の維持や調節に欠かせないミネラルのひとつで生体内に最も多く存在します。その量は体重の1~2%といわれています。そのうち99%が骨や歯に存在しており、残りの1%はカルシウムイオンとして血液や筋肉、神経内にあり、血液の凝固を促して出血を予防するほか、心筋の収縮作用を増し、筋肉の興奮性を抑える働きもあります。
カルシウムが体内で吸収されるためには他のミネラルとのバランスが影響します。リンやマグネシウムなどのミネラル同士は互いに影響しながら吸収されることから、バランスよく摂る必要があります。また、カルシウムのとりすぎも鉄などの他のミネラルの吸収を阻害してしまいます。栄養が偏らないように、バランスよく食べることが大切です。
カルシウムは骨格を構成する重要な物質であるため、不足すると骨が十分に成長せず、骨粗鬆症の原因にもなります。「日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人1人1日当たりの推奨量を、男性で700mgから800mg、女性で650mgと設定しています。しかし、カルシウムの摂取量が十分であったとしても、ビタミンDが不足するとカルシウムの吸収が悪くなり、また運動などである程度骨に負荷をかけないと利用効率が低くなってしまいます。成長期には、骨の長さ・強さが急激に成長します。より丈夫な骨をつくるためには、食事・運動のほかに十分な睡眠を取ることも大切です。骨を成長させ、体を大きくする成長ホルモンは、寝ているときに分泌されるからです。
妊娠中には平均的に1日150mgのカルシウムが、胎児のために使われます。 そのため、妊婦が1日に必要なカルシウムの摂取量は1000mgであり、妊娠中の女性は胎児の成長のために、2人分のカルシウムを必要とすると言っても過言ではありません。閉経を迎えた女性は骨の形成にも不可欠な働きをする女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が激減しますので、骨粗しょう症のリスクが高まります。閉経後の女性のカルシウムの推奨摂取量が1,300mgとされています。

▼カルシウムの働き
カルシウムの最も代表的な働きが、骨・歯を作ることです。
具体的には、小腸で吸収されたカルシウムが骨の中に蓄えられることで、骨格を形成しています。カルシウムが不足すると骨格の形成に支障が出るため、骨が曲がったり折れたりしやすくなります。
また、骨粗しょう症の予防効果や血液が固まるのをサポートする働きがあります。
カルシウムには脳や神経の興奮を鎮めたり、交感神経の働きを抑える効果があるため、ストレスを和らげる効果も期待できます。
新しい皮膚細胞がつくられるときにカルシウムが必要とされます。 新陳代謝を促し、肌細胞にある保湿成分を活性化させる働きもあるため、不足してしまうと水分が外へ逃げてしまい、シワや乾燥の原因につながります。
▼カルシウムの効果
①骨や歯をつくる
カルシウムは骨や歯の主要な構成成分で、リンやマグネシウムなどとともに、丈夫な体の土台となっています。私たちにとって骨は体を支えて姿勢を保ち、内臓を守るとても重要な働きをしています。
骨のつくりは、コンクリートの建物に例えることができます。コンクリートの部分が、主にカルシウム・リン・マグネシウムなどのミネラルです。骨組みである鉄骨の役割をしているのがコラーゲンです。カルシウムは骨の強さ、コラーゲンは骨のしなやかさを保っています。
骨はカルシウムの貯蔵庫としての役割もあり、ほかの部分でカルシウムが不足したときに、骨に貯蔵しておいたカルシウムが血液中に溶け出て不足分を補います。そのため、骨にあるカルシウムは「貯蔵カルシウム」と呼ばれています。
歯は、体の中で最も硬く、カルシウムからできています。
②骨粗しょう症の予防
骨は毎日生まれ変わっており、骨の中では、新しい骨をつくる「骨形成」と古くなった骨を壊す「骨吸収」が絶えず繰り返されています。この骨形成と骨吸収がバランスよく行われることが大切です。しかし、壊すばかりで骨形成が追いつかなくなると、骨にあるカルシウムが少なくなり、スポンジのようなスカスカの骨になってしまいます。これが骨粗しょう症です。
骨がもろくなっている骨粗しょう症は、転びやすくなる、少しの衝撃で骨折してしまうなどといったことが起こります。特に高齢者の場合、寝たきりの原因の第一位が転倒による骨折であるため、予防が非常に大切です。予防のためには、若いうちに骨のカルシウム量を増やしておくことが何よりも重要です。骨形成のピークは20歳前後で、大体35歳を過ぎるとカルシウムの骨への吸着が難しくなってしまいます。
女性の場合は、特に骨粗しょう症になりやすいことがわかっています。女性ホルモンは小腸でのカルシウムの吸収を高め、骨形成を助ける役割がありますが、閉経すると女性ホルモン (エストロゲン)の分泌が少なくなり急激に骨密度が減っていきます。若い人に限らず、最近女性はダイエットの影響で、カルシウムの摂取も不足しています。そして運動もあまりしていない場合が多いようです。今の若い女性が将来年をとると、さらに骨粗しょう症の人が増えることが考えられます。女性は意識してカルシウムを摂るように努力する必要があります。
成長期に不足すると、骨や歯の形成障害を起こし、歯の質が悪くなったり、あごの発育に影響が出ることがあります。また、カルシウム欠乏症として小児の場合「くる病」、成人の場合「骨軟化症」などが知られています。
カルシウムがずっと不足している状態が続くと、骨から血液中へカルシウムが過剰に溶け出し、余分なカルシウムが血管の内側に溜まってしまうことがあります。これをカルシウムパラドックスといい、高血圧や動脈硬化の原因になることもあります。
骨粗しょう症を予防するには、カルシウムとともに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや吸収されたカルシウムを骨にとり込むのを助けるビタミンKなどを一緒に摂取するとよいでしょう。
③血液が固まるのを助ける
けがをしたり、傷ができたりすると出血しますが、カルシウムは傷口で血液を固める働きにも関わっています。止血には血液凝固因子 と呼ばれる酵素などがいくつも関係していますが、カルシウムはこれらの酵素が働けるように活性化させる作用があります。
④ストレスをやわらげる効果
体を動かす時には、筋肉が伸び縮みしています。筋肉の収縮は、筋肉の運動を司るたんぱく質とカルシウムが結合することによって起こります。心臓が規則的に正しく拍動できるのも、カルシウムが働いているからなのです。
また、神経の伝達が正常に行われるように保つ効果や、緊張・興奮を静めてイライラや過敏症などのストレスをやわらげる効果があります。
▼効果的な摂り方と注意点

カルシウムは、魚介類、藻類、乳類、豆類、種実類、野菜類に多く含まれます。
カルシウムの全てが体で使われるわけではありません。性別や年齢によって個人差もありますが、成人では通常の食事での吸収率は20~30%といわれています。効率的にカルシウムを摂取するのには牛乳や乳製品が最適です。牛乳のカルシウム吸収率は約40%で、牛乳のカルシウム吸収率が高いのは、牛乳に含まれる乳糖 やたんぱく質が影響しているためと考えられます。そのほか小魚が約30%、野菜で約20%程度です。野菜の中でも特にほうれん草などの青菜は、カルシウムの吸収を阻害するシュウ酸 が含まれているため吸収率が低いといわれていますが、青汁に使用されるケールはシュウ酸をほとんど含まないため、吸収率は牛乳と同程度とされています。
牛乳・乳製品を中心に、小魚、海藻、豆類、野菜などの食品からバランスよくとりましょう。脂質異常症(高脂血症)などで脂質のとりすぎが気になる場合は低脂肪乳を利用したり、牛乳が苦手な場合は、チーズやヨーグルトでとったり、料理に加えたりして工夫するとよいでしょう。
体内でのカルシウムの利用効率を高めるには、ビタミンDが必要です。ビタミンDを多く含む食品は、魚(イワシ、サンマ、サケ)きのこ(キクラゲ、シイタケ)などがあります。またビタミンDは、日光を浴びることで体内で生成されるため、適度に散歩したり適度な運動をすることも大切になってきます。
丈夫な骨をつくるためには、カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂ることも必要です。マグネシウムはカルシウムとともに骨をつくる働きがあり、そのバランスは、カルシウム2~3に対して、マグネシウム1がよいとされています。
リンもカルシウムとともに骨をつくる成分ですが、一緒に摂ることでカルシウムの吸収を妨げます。リンは肉や魚など多くの食品、また加工食品などに多く含まれていることから最近ではリンの摂取が過剰傾向にありますので注意が必要です。
骨の枠組みをつくり、しなやかさを保つコラーゲンも一緒に摂るとよいでしょう。
一日の食事をバランスよく食べることも大切です。幅広い食材を摂取することで、カルシウムの摂取量も満たされると考えられます。
カルシウムを多く含む食品を一度にたくさん摂取しても、吸収できるカルシウム量は限られています。一度にまとめて摂るのではなく、毎日コツコツ摂ることがポイントになります。
カルシウムを過剰にとると、高カルシウム血症、高カルシウム尿症、軟組織の石灰化、泌尿器系結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘などの様々な健康障害が起こる可能性があります。また、亜鉛や鉄などの他のミネラルの吸収も妨げられます。日本人の通常の食品からの摂取では耐容上限量を超えることはまれと思われますが、カルシウム強化食品やサプリメントを使用する場合には、とりすぎに注意が必要です。
逆にカルシウム不足は骨粗しょう症のほかに手足のしびれ、けいれんを起こしたり、動脈硬化や高血圧の原因にもなりえます。不足分を補おうとして骨からカルシウムが過剰に溶け出すことが原因です。骨が柔らかくなる骨軟化症も、同じくカルシウム不足が原因の疾患です。
牛乳はカルシウムを豊富に含有するため、Caイオンが薬とキレート結合し、薬の吸収を阻害します。 ニューキノロン系抗菌薬やテトラサイクリン系抗生物質などは、効果が減弱するので、同時に服用するのは避けましょう。
▼カルシウムが使われている商品

カルシウムが使われている商品は、サプリメント、ドリンク、おやつなどいろいろなものがあります。
カルシウムはさまざまな食材に含まれており、食事でとることもそれほど難しくはないかもしれませんが、便や尿と一緒に排泄されるため、毎日欠かさずの摂取が必要になります。特に女性は閉経後に骨量が急激に減少する傾向があり、カルシウムの補給は必須になりますし、成長期の子供にとっては積極的に摂りたい栄養素です。不足しがちなカルシウムを補給するためには、サプリメントからの補給も上手に活用していきましょう。
市販のカルシウムサプリには、主に炭酸カルシウムとクエン酸カルシウムの2種類があります。
どちらも人体に有益な栄養素ではありますが、吸収率はクエン酸カルシウムの方が良いと言われています。炭酸カルシウムは特に空腹時には吸収されづらいため、食事と一緒に飲むのがよいでしょう。
炭酸カルシウムサプリの方が価格は安く、さらにドラッグストアなどで手軽に買えるため継続がしやすいというメリットがあります。
逆にクエン酸カルシウムサプリは海外製が多く、通販サイトでの取り寄せとなる事が多いので、ややハードルが高いと感じる方も多いかと思います。
注意したいポイントは使用されているカルシウムの品質、吸収を助ける成分、機能としてほしい成分が入っているかどうか、飲みやすさ(小粒で必要量が少ないものがおすすめです)、続けやすい価格などです。
▼まとめ
・カルシウムとは身体の機能の維持や調節に欠かせないミネラルの一つである
・カルシウムは骨や歯を作るため、骨粗しょう症の予防に必要である
・カルシウムは血液が固まるのを助ける
・カルシウムにはストレスを和らげる効果がある
・カルシウムは牛乳・乳製品を中心にバランスよい食事からとることが大切である
・サプリなどでのカルシウムの摂り過ぎには注意が必要である
