肌感覚という言葉を知っていますか。weblioの国語辞典によると「肌で実際に感じる雰囲気といった意味であり、「感覚」という語よりも更に自分が直接感じ取っていることを強調する語」とあります。実は肌感覚とスキンケアには関係があるようです。今回は、肌感覚とは何か、皮膚感覚との違い、肌で感じるスキンケアなどについてみていきます。

目次
▼肌感覚とは何か
▼皮膚感覚との違い
▼肌で感じるスキンケア
▼肌感覚とは何か
「肌感覚」はweblioの国語辞典に掲載されていますが、一般的な国語辞典には載っていません。「肌感覚」は現代になって使われ始めた表現のようです。日本では「肌」を使う慣用句が数多くあります。いくつかまとめてみます。
| 言葉 | 意味 |
| 一肌脱ぐ | 本気で力を貸すこと。 |
| 鳥肌が立つ | 恐怖や寒さなどによって、腕などの毛穴が収縮して、羽をむしった鳥のようになること。また、近年では感動を表す言葉として用いられることもある。 |
| 肌が合う | その人と好みや考えなどが合っていること。 |
| 肌で感じる | 自身が直接経験して感じとること。 |
| 肌身離さず | 常に持ち歩いている様子。または、非常に大事にすること。 |
| 職人肌 | 職人の社会に特有の気風、熟練を積んだ手仕事の肌合い。 |
日本人は肌と気持ちを結び付けて表現しているといえそうです。「肌感覚」に近い意味合いとしては「肌で感じる」なのではないでしょうか。

▼皮膚感覚との違い
「肌感覚」に似た言葉として、「皮膚感覚」という言葉があります。同じくweblioの国語辞典によると「触覚(圧覚)、痛覚、温覚・冷覚など、主に皮膚の感覚点に存在する受容細胞によって受容され、体表面に生起すると知覚される感覚のことを指す。 深部感覚などとあわせて体性感覚と呼ばれることが多い」とあります。「皮膚感覚」は一般的な辞書にも記載があり、医学的な意味合いのほか、「長年、見聞きしている間に身に付いた勘のこと」という意味もあります。「肌感覚」が“直接経験して感じ取ること“なのに対し「皮膚感覚」は”経験に基づいた感覚“といえるようです。
実は英語では「肌」も「皮膚」も同じ「Skin」という単語を使います。日本語では「肌」と「皮膚」をわけて使っているというのは面白いですね。

▼肌で感じるスキンケア
weblioの国語辞典では、スキンケアのことは簡潔に「肌の手入れ」としていますが、肌と気持ちを結び付けるのは日本人ならではの感覚といえるかもしれません。寝不足の時にはいつもより化粧ののりが悪い、ニキビをみつけると、ネガティブなことばかり想像してしまうなど、肌の調子が、ご自身の気持ちに大きな影響を与えることを、感じている方はかなりいるのではないでしょうか。逆に気持ちが肌の状態を変えることもあります。はずかしくて顔が赤くなったり、恐怖や緊張で顔が蒼ざめたり、精神的に疲れてお肌がくすんだり、感情が肌色に現れることも少なくありません。

肌と気持ちを結び付ける感覚が実は化粧品業界でもいかされています。あるメーカーでは心で感じるスキンケアの研究がされています。肌が気持ちによって影響をうけることに着目し、気持ちを高める効果を持たせた商品を使うことでスキンケアの効果を高めるような商品開発が行われています。“恋をすると美しくなる“と古くから言われていますが、これを科学的に検証した例はほとんどありませんでした。うきうきした気持ち、満たされた気持ちなど、ポジティブな感情は、肌に良い影響を与えるのかに着目し「心」と「肌」はつながっているという仮説のもと、製剤開発・皮膚科学・感性科学を研究するメンバーが協力して研究した結果、「スキンケアで心にポジティブな変化が生じた際に肌状態が良くなる」ことを科学的に明らかにしたのだそう。ポジティブな感情を高める感触を調べ、「コク」「肌なじみ」「しっとり感」が特に重要であることが発見されました。そして、これら3つの感触を高めるように設計したクリームを使用すると、実際にポジティブな感情が高まることが、主観的なアンケートだけでなく脳血流測定の結果からも確認されたのだそうです。このクリームを4週間自宅で使用してもらうという実験では、使用期間中にポジティブ感情を高く感じた群では、相対的に感じていなかった群と比較して、肌の質感向上が認められたという結果もあります。スキンケア時に生じるポジティブな感情に肌を美しくする効果があることが示唆されたといえます。従来、スキンケアの肌への効果は、配合成分や処方技術といった機能によるものと考えられてきましたが、このような研究から、肌を美しく導く製品を開発する上で、感情に着目したアプローチも有用であることが新たに示されたといえますね。
▼まとめ
・「肌感覚」とは、肌で実際に感じる雰囲気である
・「肌感覚」に対し「皮膚感覚」とは”経験に基づいた感覚“である
・肌と気持ちを結び付ける日本人の感覚が最近の化粧品開発にいかされている
