寒くなり始め、風邪の流行る季節になると、甘くなりコタツで食べると美味しい果物。
そう「みかん」。

「みかんを食べると風邪ひかないよ」とか、「風邪のひき始めにはみかんを食べるといいよ」と言われたことはありませんか?
もちろん、みかんを食べれば100%風邪をひかなくなるわけではありません。
しかし、みかんには身体の免疫力を上げてくれる栄養素「ビタミンC」が多く含まれているため、全く根拠のないことでもないのです。
目次
▼風邪薬に配合されたビタミンCの役割
▼ビタミンCが風邪に良いと言われたきっかけ
▼ビタミンCと風邪の研究
▼風邪薬に配合されたビタミンCの役割

製薬会社が総合感冒薬(風邪薬)にもビタミンCが有効成分として配合されていることがありますが、実はその目的はビタミンCが直接風邪を治すということではなく、風邪をひいて身体から失われたビタミンCを補給することを目的としているのです。
私達の身体は、発熱やのどが炎症を起こすと、通常の時よりも多くの熱を発生します。その熱を発生させるためには、細胞内のミトコンドリアという身体のエネルギー生成工場で、たくさんのエネルギーを作り出す必要があり、その時に大量の活性酸素が発生してしまいます。ですから、健康な状態の時よりも、風邪をひいた状態では細胞内で大量に発生した活性酸素を除去するために、多くのビタミンCが必要とされると推測されているのです。
▼ビタミンCが風邪に良いと言われたきっかけ
ビタミンCが「風邪に良い」とされている所以は、1900年代に遡ります。
きっかけは、ノーベル賞を2回も受賞した有名な量子化学者・生化学者であるライナス・ポーリング博士が1970年に発表した「ビタミンCと風邪」という著書でした。
ライナス・ポーリング博士は「すべての病癖すべての病気を追求するとミネラル欠乏にたどりつく」という名言を残した、ビタミンやミネラルが疾病予防に有効だとの提言を行い、現代の予防医学の礎を築いた人です。
そのポーリング博士は自分自身の体験から、ビタミンCのグラム単位摂取により生体防御機構すなわち免疫能を強化することが可能でありウイルス疾患を予防できることを強調しておられました。つまり、「風邪の予防や治療のためには毎日数グラムのビタミンCが良い」と著書で発表したのです。
現在ビタミンCの推奨摂取量は1日あたり100mgですが、ポーリング博士が推奨したのはその20~30倍の2~3gでした。ポーリング博士自身も93歳でお亡くなりになる直前まで、現役としてお仕事をされる程お元気で、ビタミンCは絶えず飲んでおられたそうです。
しかしその当時、医師でも栄養学者でもないポーリング博士の功績は、医学界だけでなく栄養学界からも激しく否定され非難されたのです。
▼ビタミンCと風邪の研究
その後、ポーリング博士の主張を科学的に検証すべく、風邪の予防や治療に関するビタミンCの有用性を調べる研究が行われ、今では「ビタミンCが風邪に有効なのではないか」という報告がいくつか挙がっています。
①ビタミンは、熱やストレスなどで過剰に発生した活性酸素を消去する。
②ビタミンCは白血球やマクロファージの機能を高めて、身体の免疫力を高める。
③ビタミンCはインターフェロン*の産生を促す。
(*インターフェロン/身体がウイルスに感染した時に体内で作られる抗ウイルス性たんぱく質)
④ビタミンCはウイルスを不活性化する。
ビタミンCが風邪の症状を引き起こすウイルスに直接働きかけるかどうかは現段階ではまだ明らかにはなっていませんが、上記の4つの働きにより、身体の免疫力が上がり、その結果風邪予防につながったり、風邪が早く治ったりする可能性はあるかもしれません。
■ビタミンCの摂取量で期待される効果が違う

現在の研究によると、ビタミンCは使う量によって期待する効果が異なるとも言われています。風邪予防の場合、1日あたり1000mgでは足りないですし、コラーゲン産生を目的とするならば1日2g、さらにガン治療で使用する場合には口径摂取(口からの摂取)では足りないため、点滴にて体内に取り入れるという研究者もいます。
このように、風邪に対しての予防や治療に関するビタミンCの有効性は、まだ科学的に立証されてはいませんが、ビタミンCの風邪への効果は、今後の研究に期待したいですね。
