ビタミンC

12.ビタミンC誘導体が肌で働く仕組み

水に溶けやすい性質を持つビタミンC誘導体、油に溶けやすい性質を持つビタミンC誘導体、水と油の両方に溶けやすい性質を持つビタミンC誘導体など、様々な種類が開発されているビタミンC誘導体。

しかし、実はこれらのビタミンC誘導体のほとんどは、そのままではビタミンC本来の効果を発揮することが出来ません。ここでは、どのようにビタミンC誘導体が肌で効果を発揮するのか詳しくみてきたいと思います。

目次

▼ビタミンC誘導体は、そのままでは効果なし!

▼ビタミンC誘導体はどのようにビタミンCに戻るのか

ビタミンC誘導体は、そのままでは効果なし!

なぜビタミンC誘導体は、そのままでは効果を発揮しないのでしょうか。

そこには、ビタミンC誘導体の化学的構造が関わっています。

ビタミンC誘導体は、本来ビタミンCが持っている化学構造以外の側鎖、つまり不要な構造の一部が身体の中にある酵素や化学反応によって切断されて、初めてビタミンCとなり、その還元力や生理的な効果を発揮するのです。

例えば、水溶性ビタミンC誘導体としてよく知られているアスコルビン酸Na(アスコルビン酸ナトリウム)は、ビタミンC(アスコルビン酸)にNa(ナトリウム)がくっついた構造をしていますし、アスコルビン酸グルコシドは、ビタミンC(アスコルビン酸)に糖(グルコシド)がくっついた構造をしています。

ところが、ビタミンC誘導体は、このままの形ではビタミンCが本来持っている効果を発揮することは出来ません。ビタミンCにくっついているNaやグルコースを外さなければ効果は発揮されないのです。

ビタミンC誘導体はどのようにビタミンCに戻るのか
肌の中でビタミンC誘導体をビタミンCに戻すために活躍するのが、体内に元々ある「酵素」。

例えば水溶性のビタミンC誘導体「アスコルビン酸グルコシド」の場合、グルコシドを切ってくれる酵素「グルコシダーゼ」の働きにより、ビタミンCとグルコシドに分解され、ようやくビタミンCが効果を発揮できるようになります。
 

油溶性ビタミンC誘導体の場合には、角質層にある皮脂成分をまとうことで、肌バリアに馴染んで浸透しやすくなります。肌深くに馴染んだ油溶性ビタミンC誘導体は、体内にあるエステラーゼという酵素によって、再びビタミンCと脂肪酸に分解され、そこで初めてビタミンCとしての仕事をします。

油溶性ビタミンC誘導体として有名なテトラヘキシルデカン酸アスコルビル。

こちらもそのままでは機能しません。

肌に入って、脂肪酸の部分(テトラヘキシルデカン酸)が外れて、初めてビタミンCとして効果を発揮するのです

油溶性ビタミンC誘導体は、油溶性になったことで通常のビタミンCと比べて約30倍の吸収力があり、ゆっくり本来のビタミンCに戻るため肌の中での作用持続効果は43時間以上だとも言われています。つまり、肌の中でゆっくり長く効くということですね。

このようにビタミンC誘導体は、どのようにしたら光や酸素からビタミンCを守り安定させることが出来るのか、そしてどのようにしたらきちんと肌の中でビタミンCに戻り、その効果を発揮することが出来るのか、というとても難しいミッションを持って開発されたものなのです。

ちなみに、分解されて出来た脂肪酸も、元々肌にある成分なので、心配ありません。

ビタミンC誘導体に欠点はないのか?

ちなみに、ここまで聞くと、「じゃあ油溶性ビタミンC誘導体の方がいいよね!」と思う人が多いかと思います。でも、油溶性ビタミンC誘導体にも欠点があります。

それは「使用感」。油溶性ビタミンC誘導体は、非常にべたつくのです。

皆さんは化粧品を買う際、肌に塗った時の感触を大事にされている方も多いのではないでしょうか。クリームを肌に塗った時、髪の毛が張りつく程ベタベタしていたら・・・気持ちよく過ごすことは出来ませんよね。化粧品にとって「使用感」はとても重要な要素なのです。

ですから、化粧品メーカーは「使用感の良さ」をとても重視して化粧品開発を進めています。

そして、企業努力により、ベタつく油溶性ビタミンC誘導体を高濃度に配合したにも関わらず、油溶性ビタミンC誘導体の持つ欠点を軽減した化粧品も登場しています。

それは「ナノ化」という技術です。

ナノとは、大きさを表す単位のことで、1mmの100万分の1という大きさのため、私達は目でみることは出来ません。

油溶性ビタミンC誘導体をナノ化という技術を使って小さな粒子状にすることで、肌の上を滑るように広がり、ベタつきも解消し、肌への浸透も良くなります。

様々な特徴を持つビタミンC誘導体は、配合される化粧品の特徴や、効果、使用感にまでこだわって開発されているのです。