
私達の身体を酸化から守り、健康で丈夫は肌や骨を保つ上で欠かせない「ビタミンC」。
いくらビタミンCが美容や健康に良いからといっても、食べ物やサプリメントなどから摂取したビタミンCは100%身体に吸収されるのかというと、残念ながらそうではないのです。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、過剰分は尿から排泄されてしまい、摂り貯めておくことも出来ませんし、ビタミンA、Dなどの脂溶性ビタミンのように摂取したものを長期間体内に貯蔵しておくことが出来ないからです。
ここでは、どのようにビタミンCを摂取したら、効率よく体内で働いてくれるのか、詳しくみていきたいと思います。
目次
▼ビタミンCは1日にどれくらい摂ったらいいの?
▼ビタミンCはどれくらい身体に吸収されるのか
▼摂取量と吸収量が比例しないビタミンC
▼期待が高まる「高濃度ビタミンC点滴」
▼ビタミンCは1日にどれくらい摂ったらいいの?
厚生労働省が出しているビタミンCの必要摂取量は、年齢や生活習慣などによって異なります
<ビタミンCの推奨栄養所要量>
1~3歳 15mg
4~8歳 25mg
9~13歳 45mg
14~18歳 男性:75mg 女性:65mg
19歳以上 男性:90mg 女性:75mg
とされています。
※「推奨栄養所要量」とは、ほとんど全て(97~98%)の健常人が栄養所要量を満たすのに十分な平均1日摂取量。
※妊娠期・授乳期は15~50mg程多く摂取する必要があります
※喫煙者は1日35mg多く摂取する必要があります
■現代人にビタミンCは足りている?
この「推奨栄養所要量」に対し、2001年~2002年にかけて実施された米国国民健康栄養調査の結果によると、アメリカ人のビタミンCの平均摂取量は、成人男性で105.2mg/日、成人女性で83.6mg/日。1歳~18歳までの小児・青年でも、平均摂取量は75.6~100mg/日という調査結果が報告されていますから、現代人のビタミンC摂取量は足りているとも言えます。
▼ビタミンCはどれくらい身体に吸収されるのか
厚生労働省の情報発信サイトによりますと、ビタミンCは、1日30~180mgの摂取量では、約70%~90%が吸収されますが、1日1g(1000mg)を上回る摂取量では、吸収率は50%未満にまで低下してしまい、ビタミンCは尿と一緒に体外へ排泄されてしまうそうなのです。
他の研究でも、ビタミンCを180mg摂取した場合、80~90%が吸収されるのに対し、1000mg~5000mg(1g~5g)まで増やすと、吸収される量自体は増えるものの、吸収率は21%まで下がるという報告もあります。
▼摂取量と吸収量が比例しないビタミンC
ビタミンCがどのように身体に吸収されるのかを調査した実験報告もあります。
20~30歳の健康な日本人男性6名に、50mg、100mg、200mgのビタミンCが溶けた水を1度飲んでもらい、その後6時間後まで血漿中へのビタミンCの移行量や尿からのビタミンC排泄量を詳しく調べたというのです。
「血漿」というのは、血液中の成分のこと。
つまり、どれくらいビタミンCが血液中に移行したのかを調べたことになります。
この調査によると、50mg、100mg、200mgのビタミンCを飲んだ後、血漿中のビタミンC濃度は時間が経つにつれて増加し、およそ1.5~2.5時間後にピークに達したそうです。
100mgのビタミンCを飲んだ場合には、50mgのビタミンCを飲んだ時よりも、約2倍の血漿中のビタミンC濃度が増加しましたが、200mgのビタミンCを飲んだ時には100mgのビタミンCを飲んだ時と比べて2倍の増加量にはならなかったそうです。
(注:ただし、中高年やお年寄り、女性で同じ結果が得られるとは限りません)
つまり、ビタミンCを1度に多量摂取しても、身体に吸収される量は摂取量に比例しないということですね。
ちなみにその後、血漿中のビタミンC濃度はピークに達した後次第に減少しますが、6時間後には飲む前の濃度にまでは下がらなかったそうです。
また、尿中へのビタミンC排泄量は、50mg又は100mgのビタミンCを飲んだ時には、ほとんどビタミンCの排泄が見られなかったのに対し、200mgのビタミンCを飲んだ時には尿中への排泄量が一気に増加したとのことでした。
■ビタミンCを体内に維持するための摂取間隔
この調査から分かることは、ビタミンCを効率良く摂取するためには、1回あたりの摂取量は100mgがいいのではないか。また、摂取する間隔は6時間ごとが良いのではないか。ということです。
6時間ごとに100mgのビタミンCを摂取すると、常に高い濃血漿中ビタミンC度を維持することが出来るのではないかと推測されるのです。
(参考文献:ビタミンCの事典/東京堂出版/著:石神昭人)
ちなみに、吸収されなかったビタミンCは、大腸で乳酸菌などの良い菌を増やしてくれたり、便をやわらかくしてくれるので、程度に摂ることは良いのですが、過剰に摂り過ぎると下痢を起こすこともありますのでご注意くださいね。
▼期待が高まる「高濃度ビタミンC点滴」

1970年「ビタミンCを適切に使用することで、進行期のがん患者でも、その生存期間を延長出来た」、2005年「ビタミンCは、正常な細胞を傷つけることなく、抗ガン剤として作用する」という論文が発表され、近年「高濃度ビタミンC点滴治療」を行うクリニックが増えています。多く摂取すると、そのほとんどが体外へ排泄されてしまうビタミンCですが、点滴は直接体内へ注入するため、口から摂取した場合より数十倍以上の濃度で全身に行き渡るとされています。
「抗酸化作用」を持つビタミンCが全身に行き渡ることで、細胞の錆びを防ぎ、美白・肌のハリなどの美容効果も期待されており、健康を望む方はもちろんですが、女性にとっても嬉しい効果ですね。
