スキンケア

トリプトファン

目次

▼トリプトファンとは何か
▼トリプトファンの働き
▼トリプトファンの効果
▼効果的な摂り方と注意点
▼トリプトファンが使われている商品

▼トリプトファンとは何か

トリプトファンとは、人間の健康維持に欠かせない必須アミノ酸の一種です。しかし、トリプトファンは体内で作り出すことができません。そのため、食事から栄養分として摂取しなければならない成分です。

トリプトファンを多く含む食材として挙げられるのは、牛・豚・鶏のレバー、小麦胚芽、牛乳、チーズ、バナナ、大豆、アーモンド、かつお、まぐろなどです。

食物から摂取されたトリプトファンは、肝臓や腎臓で分解され、エネルギー源として利用されます。また、トリプトファンは脳に運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムとともにセロトニンを生成します。セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンとともに、体内で特に重要な役割を果たしている三大神経伝達物質のひとつです。ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑えて心のバランスを整える作用のある伝達物質で、セロトニンが不足すると精神のバランスが崩れて、うつ病などの精神疾患を発症するといわれています。ストレスを緩和し「幸せホルモン」と呼ばれます。このセロトニンが不足すると、睡眠障害やうつ状態、不安感などが引き起こされます。脳内のトリプトファン濃度が高まるとセロトニンが増えるとされ、催眠剤や鎮痛剤としての効能が期待されています。アメリカでは栄養補助商品として販売され、不眠の解消や精神安定効果を期待する人々に利用されています。また、眠りを促すメラトニンのもとにもなります。

トリプトファンは体にとって重要な役割を果たしているため、日々適正な量を摂取することが重要です。食べ物やサプリメントを活用しながらトリプトファンを摂取する必要があります。

▼トリプトファンの働き

精神の安定をはかる栄養素ともいわれるトリプトファンは「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを作る材料となり、心の安定と深い関わりのある栄養素です。主な働きとしては以下の五つがあげられます。

①精神の安定・抑うつ症状の緩和…トリプトファンはビタミンB6やマグネシウム・ナイアシンとともにセロトニンを作る材料となります。セロトニンには精神を安定させ、うつ病の改善にも効果があるとされています。

②安眠のサポート…安眠を促すメラトニンという睡眠ホルモンは、セロトニンからマグネシウムのサポートにより作られます。トリプトファンをとることは快適な睡眠のためにも必要といえます。

③やる気・集中力アップ…アミノ酸の一種、チロシンとともに、ドーパミンやアドレナリンといった神経伝達物質を作る材料になります。ドーパミンは意欲ややる気を生み出してくれ、ノルアドレナリンは集中力を高めてくれます。

④アンチエイジング効果…トリプトファンからできるメラトニンにはカラダの中にできる活性酸素を除去してくれる抗酸化作用があり、アンチエイジングにも効果的です。

⑤月経前症候群(PMS)の緩和や更年期障害の改善…月経前に見られるイライラや体調不良、エストロゲンの減少による更年期障害など、女性特有の症状の改善にも効果的だといわれています。

▼トリプトファンの効果

トリプトファンは、心や体、外見にも働く様々な効果があります。より詳しく見ていきましょう。

①精神の安定・抑うつ症状の緩和

トリプトファンからセロトニンを生成することで精神を安定させる効果があります。セロトニンは脳内で作られますが、その材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。トリプトファンは、トリプトファンヒドロキシラーゼという酵素の働きによって、5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)という物質に変化します。ビタミンDは、この酵素が十分に作られるように調節します。5-HTPは、芳香族L-アミノ酸脱炭酸酵素の働きによってセロトニンに変化します。この酵素の働きには、ビタミンB6が必須です。他にもリラックス効果があり、不安やうつ病などの抑制にもつながります。

②安眠のサポート睡眠の質に関わるメラトニンを作る

トリプトファンはセロトニンを生成後、夜になるとメラトニンに変化します。

メラトニンは、体内のリズムを整え自然の眠気を促す働きをするため、不眠を解消することができます。トリプトファンは脳に運ばれると、ビタミンB6やナイアシン、マグネシウムとともに神経伝達物質であるセロトニンをつくる原料となります。セロトニンには寝つきを良くする睡眠効果や、興奮や不快感を鎮めて精神を安定させる効果があり、不足すると睡眠障害や不安感が現れます。

セロトニンは、脳の松果体でメラトニンに変換されます。メラトニンは体内時計の調整を行う働きがあり、睡眠サイクルを正常にしたり、時差ぼけに効果があるなど睡眠と密接な関係を持っています。アメリカではトリプトファンは天然の催眠剤として、催眠効果や精神安定効果を期待する人々に人気があります。

③やる気・集中力アップ

トリプトファンが生成したセロトニンには、やるき・集中力のアップ、それに加え記憶力を向上させる効果があります。仕事や勉強の前にトリプトファンを摂取することで、作業効率を上げることができます。トリプトファンは、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質をつくるために、チロシンと一緒になって働きます。ドーパミンとノルアドレナリンとは、ホルモン調節に関わり、気分を高揚させてやる気を生み出すホルモンです。これまでの研究では、脳や行動障害の治療に役立つことが分かっており、不眠症やうつ病治療への効果も期待されています。オハイオ州立大学医学部の研究によれば、子どもたちに1週間トリプトファンを与えたところ、学習能力について良い結果が得られたという報告もあります。

④アンチエイジング

トリプトファンには、老化を抑制するアンチエイジング効果があります。老化は呼吸で取り込んでできた活性酸素が、過剰に増加することで起こります。トリプトファンから変化してできたメラトニンには、活性酸素を抑制する抗酸化作用があるため、老化を抑制することができます。「若返りの薬」ともいわれるメラトニンの分泌量は年齢を重ねるほど減少するといわれており、脳内のトリプトファン濃度が高まればセロトニンが増えてメラトニンとなり、老化防止に効果があると期待されています。

⑤月経前症候群(PMS)の改善

トリプトファンは、生理前に感じるストレスや生理痛の緩和に効果があります。

日頃から食事やサプリメントを活用しトリプトファンを摂取することで、月経前症候群の改善につながります。トリプトファンを摂取することで、鎮痛作用や精神を安定させる効果があるため、月経前のイライラや体の不調を改善できる効果があるといわれています。また、トリプトファンの自律神経を整える働きは、更年期障害の症状緩和にもつながります。

⑥鎮痛効果

トリプトファンから生成されたセロトニンには鎮痛効果があります。セロトニンは痛みを感じると分泌されることがわかっており、過剰な痛みを抑制する働きをします。アメリカのテンプル大学健康科学センターで、トリプトファンが鎮痛剤としての働きを持つことを証明する実験が行われました。あごに慢性的な痛みをもつ患者のグループにトリプトファンを投与してセロトニンの濃度を高めたところ、痛みの軽減に加え、歯に痛みが加えられたときの耐性も強くなったとの報告があります。

⑦コレステロール値・血圧の調整

トリプトファンは、コレステロール値や血圧をコントロールする働きがあります。今は気にならない場合も、日頃からトリプトファンを摂取することで早めにリスクを減らしましょう。

▼効果的な摂り方と注意点

トリプトファンが多く含まれている食材は主に、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。また、肉や魚にもトリプトファンが多く含まれますが、動物性たんぱく質に含まれるBCAAというアミノ酸はトリプトファンを脳へ取り込みにくくするため、植物性たんぱく質から摂ることをおすすめします。ただし、動物性たんぱく質も「炭水化物(穀類、いも類、果物など)」ビタミンB6を一緒に摂取することで血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用するため、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。ビタミンB6を共に摂取することで、トリプトファンの効果がより期待できます。ビタミンB6は鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕や抹茶、ごま、とうがらしや米ぬか、にんにくにも豊富に含まれています。つまり、バランスよく主食・主菜・副菜を揃えて食事をすることで、必要とされるトリプトファンは摂取できます。分離大豆タンパクという食べ物は、大豆から油分やおからを除いたものです。90%以上がタンパク質で、かまぼこやちくわ、魚肉ソーセージの製造に使われています。魚の練り製品は、料理に使うだけでなくそのまま摂ることができるので手軽でおすすめです。

トリプトファンは夕食に摂取するのがおすすめです。生成されたセロトニンが就寝前にメラトニンに変化し、メラトニンには自然な眠気を促す働きがあるため、寝つきがよくなり睡眠の質も高まります。もし、食事で十分なトリプトファンやビタミンB6がとれない場合は、サプリメントもおすすめです。食事とサプリメントをうまく活用して、トリプトファンをしっかり補いましょう。

ただし、体が必要とする以上に摂取してしまうと、肝臓で脂肪の変化が起こり、肝硬変を招く恐れがあります。上限は220mgとされています。ラットによる実験で、トリプトファンは肝臓の脂肪に変化を引き起こすことがわかっています。肝硬変の患者の場合、長期的に摂取すると脳内にトリプトファンが増えてセロトニンが過剰になり、脳の機能が低下して昏睡状態に陥ってしまいます。トリプトファンは催眠剤や鎮静剤に用いられますが、長期に渡っての服用は危険であると、されています。うつ病治療の抗うつ剤との組み合わせにより、血圧や心拍数の変化や脳血管収縮障害などが起こる場合がありますので、投薬・服薬をしている場合は、事前に医師への確認が必要です。

▼トリプトファンが使われている商品

トリプトファンはサプリメントでも摂取できます。パウダータイプ、錠剤タイプ、カプセルタイプと様々なタイプがありますので、自分に合ったものを選びましょう。また、次のポイントに注目してください。

①含有量…WHOによると、1日に必要なトリプトファンは体重1kgあたり4mgのため、体重を参考に、自分にちょうどよい含有量のサプリを選びましょう。

②続けやすい価格帯…サプリメントは毎日飲むものであるため、続けやすいことが大事になってきます。

③GMP認定かどうか…安全性にこだわることも大切です。基準は人それぞれですが、1つの指針となるのがGMP認定です。GMPとは、厚生労働省が一定の品質を認めた証です。安全性の高いサプリをお探しの方は、GMP認定のサプリを選ぶのもよいでしょう。

トリプトファンのサプリがおすすめなのは、食品から十分なトリプトファンを摂るのが難しい方です。たとえば乳製品や大豆のアレルギーがある方が代表的であり、食が細い方もサプリからの摂取が向いています。

トリプトファンのサプリを飲むタイミングは特に決まっていません。ただし、商品によっては飲み方や飲むタイミングを指定しているものもあります。商品説明に飲み方が記載されている場合は、指示に従ってください。特にタイミングが指示されていない場合は、できれば朝の摂取がおすすめです。トリプトファンは、脳内物質のセロトニンの原料として利用されますが、セロトニンは、日中に日光を浴びることで合成されるからです。つまりセロトニンを効率よく作るには、日光を浴びる前=朝に原料を摂る必要があります。

▼まとめ

・トリプトファンは必須アミノ酸の一種で日々の食事でとる必要がある

・トリプトファンは乳製品やレバー、大豆製品やナッツ類等に多く含まれる

・トリプトファンは精神を安定させる幸福ホルモンといわれるセラトニンを作る

・トリプトファンは安眠の質にかかわるメラトニンを作る